Qスイッチルビーレーザー
Qスイッチルビーレーザー
Qスイッチルビーレーザーは、波長694nmの短パルスレーザーを照射して色素性病変を治療する機器です。「Qスイッチ」とはナノ秒(10億分の1秒)単位の極めて短いパルスを発生させる技術で、メラニン色素に高いエネルギーを瞬間的に与え、周囲組織をほとんど傷つけることなく色素のみを選択的に破壊します。しみ・あざ・そばかす・タトゥーなど、さまざまな色素性病変の治療に用いられます。

当院ではMM&ニーク社製のQスイッチルビーレーザーを使用しています。MM&ニーク社は医療用レーザー機器の専門メーカーとして実績があり、精密な出力制御と安定した照射性能を持つ機器の製造・販売を行っています。この機器の安定した出力特性により、病変の深さや大きさに応じた細かな照射設定が可能で、より安全で効果的な治療を実現しています。
ルビーレーザーとは可視光線の赤色領域に属する694nmの波長のレーザーです。Qスイッチ機構によりナノ秒(10億分の1秒)単位の超短パルスを発生させ、周囲組織を傷つけずにメラニン色素のみを選択的に破壊します。この波長はメラニンへの吸収が高く、血液(オキシヘモグロビン)や水への吸収が低い「治療ウィンドウ」に位置するため、色素病変への優れた選択性を持ちます。
主要な皮膚発色団の吸光度スペクトル(模式)

縦軸:相対吸光度、横軸:波長(nm)。694nmではメラニンの吸光度が高く、血液・水への吸光度が低いため、メラニン色素に対する選択的治療が可能です。
次になぜレーザーによってシミが消えるのかをご説明します。これを選択的光熱融解と言います。
選択的光熱融解(Selective Photothermolysis)とは
1983年にアンダーソンとパリッシュが提唱したレーザー医学の基本原理です。「特定の標的だけを選んで熱で破壊し、周囲の組織は傷つけない」という考え方です。
高エネルギーの超短パルスを色素病変に集中的に照射します。治療後は一時的に痂疲(かさぶた)ができることになります。そのため一時的に色が濃くなりますが、1~2週間程度でかさぶたが取れることでシミの改善が得られます。
低出力で顔全体に照射することで、痂疲(かさぶた)をほとんど作らずにメラニンを徐々に減少させます。回数を重ねるごとにシミ・くすみ・そばかすが改善し、肌全体のトーンアップや毛穴の改善も期待できます。
ほくろ(色素細胞母斑)は大きさ・深さによって手術(切除縫縮)やCO2レーザーが適切な場合があります。また、炎症後色素沈着(PIH)の強い傾向がある方・ケロイド体質の方は治療前に十分なカウンセリングが必要です。
| 合併症 | 頻度 | 概要と対処 |
|---|---|---|
| 炎症後色素沈着(PIH) | 比較的多い | 照射部位に一時的な色素沈着が起こる状態です。日焼け止めと美白ケアで対応。数ヶ月で自然改善することが多いですが、ハイドロキノンを照射後から使用することで予防や改善までの期間短縮をすることができます。ルビーフェイシャルでは比較的リスクは低いといわれています。 |
| 発赤・腫脹・痂疲 | 比較的多い | スポット照射後に生じる。数日〜1週間程度で自然回復します。ルビーフェイシャルでは赤みが1〜2日程度続くことがあります。 |
| 色素脱失・白斑 | まれ | 照射が強すぎた場合にメラノサイトが脱落し白くなることがあります。適切な出力管理・過剰照射を避けることで予防が可能です。ルビーフェイシャルではリスクは低いといわれています。 |
| 感染・瘢痕形成 | まれ | 適切なアフターケアで予防できます。発赤や疼痛が悪化する場合はクリニックにご連絡いただき受診してください。。 |
| 疼痛・灼熱感 | あり | 照射時に多少痛みを伴います。冷却で緩和させます。ルビーフェイシャルはYAGレーザートーニングより痛み(熱さ)を感じやすいです。 |
| 肝斑の一時的悪化 | 注意 | 肝斑のある部位への照射で色が一時的に濃くなる場合があります。事前に内服治療をすることでリスクを抑えます。 |
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