
Clean and bloom PLAEPO(プラエポ)
Clean and bloom PLAEPO(プラエポ)
今回当院で、多種多様の皮膚トラブルでお悩みの患者さんにより良い医療を提供するため、新しく導入した総合的なフェイシャルマシンです。
MM&ニーク社製の新しいフェイシャルマシンで、MM&ニーク社は日本の医療機器に特化した開発・販売会社で、主に医用レーザーや光線治療器、医科向け美顔器などを扱う総合商社で当院ではQスイッチルビーレーザーも導入しています。
皮膚の状態をよりよくするには皮膚にとって有効な美容成分を確実に届けることが必要です。内側から美容成分を皮膚に届けることも重要ですが、食事や内服薬の成分を皮膚まで届けるのは効率が良いとは言えません(口から摂取したものを消化管から吸収し、血液等を介して皮膚まで届ける必要があります)。
そこで物理的に外から皮膚に直接美容成分を届ける方法はいくつか報告されています。
手法 | 特徴 | 導入できる成分 | 備考 |
---|---|---|---|
イオン導入 | 微弱な電流でイオン化した水溶性成分を導入 | ビタミンC、トラネキサム酸など | 分子量500以下、イオン性必要 |
エレクトロポレーション | 一時的に細胞膜に微小な穴を開けて成分を導入 | ヒアルロン酸、ペプチド、幹細胞成分など | イオン化不要、大分子も可 |
超音波導入 | 高周波振動で皮膚をゆるめ、成分を浸透 | ヒアルロン酸、ビタミン類 | 刺激少なくマイルド |
マイクロニードル | 微細な針で皮膚に微小孔を開け、成分塗布 | コラーゲン誘導因子、成長因子 | 専用パッチやローラー使用 |
ダーマペン | 電動微細針で高精度に穴をあけながら導入 | PRP、成長因子、ビタミンなど | 出血・腫れを伴う場合あり |
エレクトロスプレー | 成分を霧状に帯電させて導入 | 高濃度美容液など | 新しい技術、非接触 |
高圧ジェット | 高圧で美容液を皮膚下に噴射 | 幹細胞エキス、ヒアルロン酸など | 表皮バリアを瞬時に通過 |
美容成分を皮膚に届ける方法もいくつかあり、メリットデメリットもある中で、当院では「プラエポ」を選択しました。
プラエポの最大の特徴は5つの機能が1台に集約されたフェイシャルマシンであるということです。この5つの機能を使い、治療を行うことで一つ一つの治療を単独で行うよりもそれぞれの機能を複合的に使用することで相乗効果が得られ、他の器械にはない効果が得られると考えています。
SONIC
PLASMA
S-EP
L-EP
導入治療のなかで、効果も高くダウンタイムが少なく、より多くの美容成分を確実に届ける上で、まず皮膚表面の汚れを落とすということが重要となります。Sonicプローブを使用することでクレンジングを行います。Sonicプローブは超音波機能と同時にイオン導出(+)を行うことで、超音波の乳化作用を利用して洗顔だけでは落ちにくい汚れ(毛穴に詰まった皮脂、化粧、老廃物など)を取り除きます。皮膚の汚れを可能な限り落とすことでdrug delivery の準備を整えます。
Plasmaプローブを用いて皮膚表面に微細なプラズマ(大気圧低温プラズマ)を照射します。これによりプラズマ導入が可能となります。プラズマ導入では下記のような変化が皮膚に起こるといわれています。
これにより、分子量500以上の大きい成分(Isbary et al. (Br J Dermatol. 2010))や親水性の薬剤でも皮膚バリアを通過しやすくなり、浸透率が向上します。また皮膚線維芽細胞を刺激しコラーゲンの産生や血管新生を促進する効果があり創傷治癒や瘢痕予防にも有効とも報告されています。(Park et al. (Sci Rep. 2016))
Plasmaプローブでは2つのモードがあります。
スキンケアモードでは肌の表面改質を促し、美容成分の吸収を助けます。
またアクネケアモードでは有機物の除去をし、皮膚表面を洗浄します。
これらにより、現在のざ瘡に対する効果はもちろん、分子量の大きな美容成分も導入することができます。
S-EPプローブとL-EPプローブを使って行います。このプローブを使用し、電気パルスを皮膚に与えることで細胞膜に一時的な微細な隙間(ナノサイズの孔)を形成し、有効成分を皮膚の奥深く(真皮層)まで浸透させます。プラエポでは特殊波形のEPに加え、EMS、高周波を加えた独自複合波を採用しています。それにより分子量の大きな成分(ヒアルロン酸、コラーゲン、ビタミンC、成長因子、ペプチドなど)の導入が可能となります。現在、科学的に根拠が示されている導入法であるといえます。
イオン導入とは、微弱な直流電流を利用して、美容成分を皮膚の奥へ浸透させる技術です。電流を流すことで皮膚表面のバリア機能(角質層)を一時的にゆるめ、成分を「電荷の反発力」によって押し込む仕組みです。たとえばマイナスに帯電したビタミンCは、同じくマイナス極からの電流によって皮膚内に浸透します(同極反発の原理)。これにより、通常の塗布では届きにくい成分を効率よく表皮下層まで届けることが可能です。安全性に優れた施術ですが、イオン化された成分でないと浸透しないことや分子量が500Da以下とされています。sonicプローブを用い、イオン導入を行います。Sonicプローブで超音波を発生させ、表皮に超音波振動を与えベンディング(叩き込み)を行います。それと同時にイオンによる微弱電流照射を行うことで細胞間脂質をゆすりながら成分の浸透、拡散を行います。
プラエポは超音波クレンジング、プラズマ照射、エレクトロポレーション、イオン導入を同時に行うことができるフェイシャルマシンです。超音波クレンジングで皮膚の汚れを極限まで落とし、導入効率を最大限に上げます。プラズマ照射を行うことで皮膚のバリアを緩和させ、アクネケアを行うと同時に電荷効果をもたらします。そこでエレクトロポレーションで一時的な孔を作成し皮膚深層までの透過性を向上させます。ここまででも十分導入効果がえられますが、さらにイオン導入による電気反発によりイオン性成分を押し込むことができます。それぞれの施術で十分効果が得られますが、同時に行うことで相乗効果が得られると考えられます。プラズマとエレクトロポレーションを利用した装置で豚皮膚試験において吸収率が向上したという報告(韓国特許 KR102484457B1(2021年))やエレクトロポレーションとイオン導入で局所的導入能の向上(米国:カテーテル技術の特許)が報告されています。現時点でプラズマ照射、エレクトロポレーション、イオン導入の3つの相乗効果に対するエビデンスはありませんが、理論上単独よりも高い効果が得られると考えられます。当院においてもデータの蓄積を行っていきます。
導入効果を高めるとともに、何を導入するかも重要な点です。基本導入剤としてエアレ美容液(株式会社エムエムアンドニーク)を使用します。エアレはターンオーバーを促すヒトオリゴペプチドー1(EGF)に加え、うるおい成分としてヒアルロン酸Na、コラーゲン、グルコシドセラミド、アルギニン、ポリ―γ―グルタミン酸Naを配合しています。さらにイオン導入時には水溶性ビタミンC誘導体であるアスコルビン酸リン酸塩を高濃度に含むローションを使用し抗酸化、美白作用、消炎保湿作用が見込まれます。肌のつややうるおい、美白に加え保湿効果も高く期待されます。これらは基本セットに含まれており、これだけでも十分高い効果を得られます。
これに加え、それぞれのお悩みに沿って追加で導入剤を選べるものをご用意しています。
基本セットに加え、トラネキサム酸とビタミンEを導入剤に加えるセットです。
トラネキサム酸の効果
内服治療でも用いられる薬剤で抗炎症作用が強い成分です。抗炎症作用に加え、炎症後の色素沈着にも効果があり、そばかすや肝斑、シミにも効果を発揮します。トーンアップ効果や肌荒れ防止にも役立ちます。
ビタミンEの効果
強い抗酸化作用があります。血行を促進するため新陳代謝が活性化します。シミ、そばかすの予防や乾燥予防にも効果があります。
基本セットに加え、プロテオグリカンとバクチオールを導入剤に加えるセットです。
プロテオグリカンの効果
プロテオグリカンは保湿・抗酸化作用が強く、くすみや毛穴ケアに効果的です。肌細胞再生にも効果があり、弾力アップやトーンアップが見込まれます。
バクチオールの効果
バクチオールは次世代レチノールといわれている成分で、ターンオーバー促進やコラーゲン生成に効果があります。それによりシミ、シワ、ニキビの改善などの効果が見込まれます。
基本セットに加え、グリシルリシンとビタミンB12を導入剤に加えるセットです。
グリシルリシンの効果
肌のキメを改善したり、毛穴の開きを小さくする効果があります。保湿効果も高く、新陳代謝の正常化を促すことでニキビ跡が目立たなくなります。
ビタミンB12の効果
抗炎症作用があります。血行促進することでニキビケアにつながります。
これらのセットを組み合わせることも可能です。
詳しくは受診時にご相談ください。
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