
皮膚のできもの(イボ、ほくろ、がんなど)
皮膚のできもの(イボ、ほくろ、がんなど)
良性腫瘍、悪性腫瘍の他にウイルス性のものなどが含まれます。
治療方法は液体窒素による凍結療法のほか、切除術やレーザー治療などが適応となります。
ほくろは良性腫瘍の一種で、表皮にメラニン色素を生成するメラノサイトが集まり、黒色斑になります。隆起したもの、平らなもの、毛が生えているものなど様々です。ほくろと似ていますが、母斑細胞があってできたものを色素性母斑と呼びます。生まれつき皮膚の広範囲に色素性母斑がみとめられるものは、巨大色素性母斑と呼ばれます。
小さいものから大きいものまで治療することが可能です。「見た目が気になる」「悪性かどうか心配」など人によって気になる点は異なりますが、一番有効な治療法を提案します。
一般的なイボは、尋常性疣贅といい、主にウイルス感染が原因です。足の裏に多く、触ることでウイルスがうつりイボもうつります。主な治療法は液体窒素による凍結療法です。液体窒素を噴霧することでウイルスを凍らせます。一度の治療ですべてのウイルスが死滅することはないので、1、2週ごとに治療を繰り返すことが重要です。
症状が強かったり、なかなか治らないようなものはレーザー治療や切除術が適応となることもあります。お気軽にご相談ください。
加齢によりできやすいイボですが、20代で発症する方も少なくありません。濃いシミのようになる方や、膨らんで立体的になる方もいます。体幹などにできやすいですが、顔などの目立つ場所にできる方もいます。
治療方法は液体窒素、レーザー、切除術などがあります。それぞれの治療にメリットデメリットがあります。
療法 | メリット | デメリット |
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液体窒素 |
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切除術 |
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レーザー |
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場所や大きさ等で最も適した治療が異なります。お悩みの際はお気軽にご相談ください。
表皮嚢腫とも呼ばれる病気で、体中のどこにでもできる良性の皮下腫瘍です。皮膚の一部が皮膚の下で袋を形成しているものです。その袋は皮膚でできているためその中に垢や脂がたまります。そのため徐々に大きくなります。皮膚とは孔を通してつながっていることが多く、その穴から中身が出ると一時的に小さくなります。その際特有な匂いがあり、悩みの一つになります。それ自体痛みはありませんが、袋に炎症が生じると、急激に大きくなり発赤と痛みを伴います。炎症が生じたら中の膿を排出しないとなかなか収まりません。炎症が生じた場合は局所麻酔を行い、皮膚に穴をあけて膿を掻き出します。膿を掻き出しても袋自体は残ってしまうため、落ち着いてから袋を取り除く必要があります。一度袋ができてしまうと炎症が起こる前に切除したほうがキズも小さく済みます。くりぬき法、切除法などと分けられることもありますが、最も重要なことは「再発なくとりきる」ということと「なるべく目立たないようにとる」ということです。
皮下に発生する腫瘍の中では最も多くみられる良性の腫瘍です。皮膚のすぐ下に腫瘍がある場合と、筋肉の下にある場合があります。痛みを伴うことはまれなので、大きくなるまで気が付かないこともあります。全身どこにでもできる可能性があります。5cmを超える大きさになると悪性の可能性を検討するために画像検査を行うことが勧められます。ある程度の大きさであっても、局所麻酔の手術で日帰り手術で取ることができます。全身麻酔での手術を希望される場合は大学病院で手術することもできます。大きな腫瘍の場合、切除後に血腫(血だまり)ができるのを予防するためドレーン(血抜きの管)を挿入することがあります。数日後には抜けるので心配ありません。
皮膚の一部に石灰化が起こり硬い石の様な塊ができる良性の腫瘍の1つです。子供にもできることがあります。基本的には痛みなどはありませんが、押すと痛みが出たり、痒みを感じることがあります。腫瘍が大きくなると皮膚が薄い部分では青黒い色に見えることもあります。感染や異物反応を起こすことがあり、そうすると痛みや痒みが強くなってることがあります。当院ではお子さんでも日帰りの局所麻酔での手術が可能です。気になる方はご相談ください。
成人女性に多く、腕、大腿部や脚などに現れる硬く隆起性の腫瘍です。時折、痛みや痒みを生じますが無症状なことも多いです。原因ははっきりしていませんが、虫刺されや外傷に反応して発生することもあります。基本的には外科的切除になります。大きいものや、増加傾向にあるものは、まれに悪性腫瘍との鑑別が必要なため、顕微鏡による検査(病理検査)を行います。大きくないものや症状のないものは経過観察できる場合もあります。
関節には骨と骨を繋ぐふくろ(関節包)があります。関節包の中には潤滑油である滑液が溜まっていますが、これがなんらかの原因で外に漏れ出し、袋状の腫瘍になっています。関節があるところにおもにできやすく、ゴムボールのような硬さで、触ると痛みを伴うことが多いです。自然に消失することもありますが、見た目に腫れていたり、痛みを伴う場合は治療の対象となります。治療は圧迫などの保存療法の他、注射の針を刺して中身を引いたりします。繰り返したり、難治な場合は切除術の適応となります。
できものの中には悪性のものも存在するので注意が必要です。良性との見極めについては、硬さや表面の状態がポイントとなってきますが、完全に見極めるのは専門医の判断が必要です。
怪しいと感じたら、自己判断せずにクリニックにお越しください。
皮膚がんは皮膚にできる悪性腫瘍の総称で、代表的なものには基底細胞がん、有棘細胞がん(扁平上皮がん)、悪性黒色腫(メラノーマ)などがあります。内臓のがんと異なり、皮膚がんは目で見て確認できるため、比較的早期に発見されやすいという特徴があります。ただし、早期に気づくためには、どのような変化に注意すべきかを知っておくことが重要です。特に、ほくろの形がいびつになった、急に大きくなった、色が濃くなった、出血を伴うなどの変化は注意が必要です。
悪性が疑われる場合、まず皮膚の一部を取って検査を行う生検を行います。
中でもメラノーマは、皮膚の色素細胞(メラノサイト)から発生する悪性腫瘍で、進行が速く、他の臓器への転移もしやすいとされています。紫外線による皮膚のダメージが主な原因とされており、色白の方や屋外での活動が多い方は注意が必要です。治療は早期であれば外科的切除が最も有効とされており、進行例では免疫療法や化学療法、放射線療法などが併用されることもあります。
基底細胞がんや有棘細胞がんは当院でも手術治療を行うことができます。
手術は2回に分けて行います。1回目の手術では悪性腫瘍を切除するために行います。悪性細胞は目に見えない範囲に広がっているため、見た目にできものがあるところから大きめに切除する必要があります。目に見えないため、悪い細胞がとり切れているか顕微鏡の検査(病理検査)で確認する必要があります。検査結果が出るまで、皮膚の代わりになるもの(人工真皮)を張り付けておきます。検査で悪性細胞がとり切れていることが分かったら2回目の手術で傷をふさぎます。周囲の皮膚をずらして傷をふさいだり(皮弁形成術)、体の別の部分から皮膚を移植する植皮術が適応となります。
入院手術や、手術以外の治療が必要な方は大学病院と連携して治療を行いますのでご安心ください。
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