手術
手術
当院は日帰り手術が可能なクリニックです。
手術と聞くと怖い印象があったり、不安な印象を持たれる方もいらっしゃると思います。ここでは手術について説明させていただきます。

手術と似たような医療行為において「処置」と表現されるものがあります。一般的な「手術」のイメージはメスを使って体を切ったり、縫ったりする行為のことを指すと思います。一方「処置」は「手術」より簡単なイメージで、時間も短く、お手軽なイメージがあるかと思います。
メスを使用した切開・縫合など、比較的侵襲のある医療行為。
例:皮膚腫瘍切除術、粉瘤摘出術など
より簡便で短時間で終わる医療行為。
例:イボに対する液体窒素治療、傷の処置など
一般的には 麻酔を使用して行う医療行為は手術に分類されることが多いと考えていただくとわかりやすいと思います。
「手術」は大きく分けると局所麻酔下手術と全身麻酔下手術に分けられます。局所麻酔はいわゆる注射の麻酔です。全身麻酔は本人は麻酔で眠っている間に手術を行う方法です。これらの中間として下半身麻酔(腰椎穿刺による麻酔)やブロック麻酔(腋窩神経ブロックや指神経ブロックなど)があります。
当院で行う手術は局所麻酔下手術となります。当クリニックには全身麻酔を行う設備や入院施設はありません。全身麻酔下手術が必要な患者さんや入院が必要な患者さんは大学病院に紹介させていただき、手術を行わせていただきます。
当院で行っている局所麻酔手術は、大学病院や総合病院で行われている内容と基本的に同じです。
当院では皮膚科と形成外科の2診体制で診療にあたっているため、なるべく早期に手術を行うことが可能となっています。大きな病院に行かずに受けられるため、通院負担や待ち時間が少ないという点が大きなメリットです。
初診
まずは受診していただき、手術の適応について判断します。疑われる病名や手術を行うことで得られるメリットやデメリットについてご説明します。
手術の予約
手術枠が空いていれば当日手術を行えることもあります。
術前検査
血液検査を行い、手術が問題なく行えるか判断します。
説明同意書
説明書を用いて手術前の注意事項についてご説明します。
予約時間の2時間前までにお済ませください。飲み物に関しては構いません。手術前にお手洗いをお済ませください。
顔の手術を受け荒れる方は手術部位周辺のお化粧はしないでください。感染のリスクが高くなる可能性があります。
術後にガーゼを当てるので、ゆったりとした服装でご来院ください。術後、血で汚れる可能性がありますので、汚れてもよい服装でご来院ください。
特に指示がない場合は通常通り内服してください。内服に関して不安の際はお問い合わせください。
手術ベッドに靴を脱いで横になっていただきます。手術する場所によってあおむけ、うつ伏せ、横向きに横になっていただきます。
うつ伏せ用のマットやタオルなどを使って楽な姿勢を取っていただきます。
手術のデザインを行います。手術後の傷が最も目立たないように細かくデザインを検討し、ペンで印をつけることで行います。
合併症が起こった時などに確認できるように手術する部位の写真を撮らせていただきます。
手術する場所を消毒します。少し消毒液が冷たく感じると思われます。
無色透明無臭で粘性もありませんので術後にべたつくこともないと思います。
手術する場所に清潔な布をかけて汚染から守り、術後の感染を防ぎます。
手を触れてしまうと術野が汚れてしまうので手を触れないようにお願いします。
かゆくなったり気になる場合は我慢せずにお知らせください。
局所麻酔を行います。採血で使用する針よりも細い針を使用し、最大限痛みがないように行います。
しっかり痛みが取れているか確認しながらしっかり行います。
局所麻酔は麻酔をしたところの「痛みだけ」取り除くものとなります。意識ははっきりありますし、ものを見ることも音を聞くことも匂いを感じることも、もっと言うと触られている感覚は残ります。「痛みだけ」取り除かれている状態です。
ここで局所麻酔がなぜ痛いかをご説明します。またそこからなるべく痛くない局所麻酔を行う工夫についてもご説明します。
針を刺すから
当然のことですが針を刺すことで痛みが生じます。もう少し説明すると針を刺すことで痛点(自由神経終末と呼ばれる痛覚受容器)があります。ここは痛みに非常に敏感で、針先が触れた瞬間に痛みを感じます。痛点をなるべく通らないように麻酔をするには細い針で麻酔を行うことが有効です。当院では血液検査を行うよりも細い針で行うことで痛みを最小現にします。
薬が皮膚の下に入り込むから
麻酔薬を皮膚の下~皮膚にかけて入れていきます。そうすると組織の内圧が上がる(膨らむ・腫れる)ことで同様に神経に電気信号が通り、痛みが生じます。これによる痛みをなるべく少なくするのに有効なのは麻酔薬をゆっくり注入することです。ゆっくり注入することで圧変化が小さくなり、痛みが小さくなります。その分麻酔にかかる時間が長くなってしまうのが欠点ですが、なるべく早く痛みを取るのとなるべく痛くないようにするというとこでバランスを取りながら局所麻酔を行います。
麻酔薬のpHによる痛み
麻酔薬は弱酸性でできているもののため体の中に入ると痛みを生じます。残念ながらpHによる痛みをなくすことはできません。
その他の痛みを軽減させることで痛みの少ない局所麻酔を行います。
手術についてはそれぞれのページをご覧ください。
手術が終了したら、周囲をきれいにふき取り、軟膏を塗りガーゼで保護してテーピングを行います。
術後に出血するのを防ぐために強めに圧迫するようにテープを貼ります。
術後の注意点をお話して終了です。
手術の所要時間はおおむね下記の通りです。記載のないものや不明な場合はお問い合わせください。
| 手術の種類 | おおよその所要時間 |
|---|---|
| 腫瘍切除術 | 30分 |
| 陥入爪 | 15分~30分 |
| 眼瞼下垂手術 | 60分~90分 |
| 逆さまつげ手術 | 30分~60分 |
| 傷あと治療 | 30分~60分 |
| ふたえ形成術 | 60分 |
| 腋臭症手術 | 30分~60分 |
| 刺青除去手術 | 30分~60分(大きさによる) |
| 下まぶたの手術 | 30分~60分 |
麻酔の効果は2~3時間程度でなくなります。痛み止めの内服薬を処方しますので、痛い場合もしくは痛みが心配な場合は内服ください。
感染リスクを減らすため、処方指示通り内服してください。
汗をかくような運動、手術した部位の安静が保てない労働は抜糸するまで控えてください。
以下のような合併症の可能性があります。
傷から血が染み出したり、キズの下に血だまりができる可能性があります。テープで圧迫して固定することで予防します。
感染予防に抗生剤を処方します。飲みきるまでお飲みください。
出血、感染が生じると、一部傷がうまくつかないことがあります。最終的に傷がきれいに治らない原因となります。
周囲に神経などがある場合、一時的にしびれが生じる可能性があります。
傷あとが気になる場合は術後に対応することが可能です。
そのほか手術の種類によって様々な合併症の可能性があります。
合併症の可能性をゼロにすることはできませんが、限りなくゼロになるような手術を行います。万が一合併症が起こってしまった場合も責任をもって最後まで治療にあたります。
手術の翌日か翌々日に創部が問題がないか診察させていただきます。その後は抜糸まで自宅でご自分で処置を行っていただきます。
基本的に創部に水がかかっても大丈夫なのでシャワーで創部を洗っていただいた後、処方した塗り薬を縫ってガーゼやばんそうこうで保護していただきます。詳しくは診察時にご説明しますのでご安心ください。
手術後、1週間から2週間の間に抜糸を行います。抜糸時は麻酔はしませんが痛みはありませんのでご安心ください。
抜糸後は基本的には塗り薬は不要となります。その代わりにテーピングを行うことで傷あとがきれいになるように保護を行います。
腫瘍切除術の場合は病理検査の結果が出るのに2週間程度かかります。急いで結果を知りたい場合は2週間後にお越しください。
急がない場合は術後1か月くらいのタイミングで傷あとの様子を確認させていただきますのでその際に結果についてもご説明します。
検査結果はお渡しいたしますのでご自宅でもご確認いただけます。
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