糸リフト
糸リフト

糸リフト(スレッドリフト)は、生体吸収性の医療用糸を皮膚の内側に挿入し、皮膚・皮下組織を物理的に引き上げる低侵襲治療です。メスを使った切開は行わず、細い針(カニューレ)で糸を挿入するため、傷跡がほとんど残らず、ダウンタイムも比較的短いことが特長です。
挿入した糸は数か月〜1年程度かけて体内に吸収されますが、その過程でコラーゲンの産生が促進されます。そのため、物理的な引き上げ効果に加え、皮膚のハリ・弾力の向上という二つの効果が期待できます。
一生涯続く効果とは言い難いですが、気軽にリフトアップを得るには良い治療と言えます。
施術直後から引き上げ効果を実感していただけます。効果の持続は一般的に6〜18か月程度で、加齢の進行・皮膚の状態・生活習慣(紫外線・喫煙・体重変動など)によって個人差があります。効果が落ちてきた時期に再施術することで、継続的なリフトアップを維持することができます。
Mint Lift Fine+は、韓国・HansBiomed社が開発した医療用コグ付きスレッドです。PLCL(ポリ乳酸-co-カプロラクトン)をメイン素材とし、PDO(ポリジオキサノン)と組み合わせることで、より自然な仕上がりと長期の効果持続を両立しています。顔全体のリフトアップ・Vラインの形成・ほうれい線の改善を主な適応としています。
PLCLをメインに選んだ理由
乳酸とカプロラクトンの共重合体で、PDOより柔軟性・弾力性に優れた生体吸収性素材です。体内での吸収がゆっくり(約1.5〜2年)なため効果が長く続き、表情の動きに追従しやすく、不自然な突っ張り感が出にくい特長があります。吸収過程でコラーゲン産生を促進するため、糸が溶けた後も肌のハリ感が持続します。PDO単独の糸は吸収が早く(6〜12か月)効果が短い傾向がありますが、PLCLをメインとすることで12〜18か月以上の効果持続と自然な表情の維持を両立しています。
外科縫合糸として長年使用されてきた実績ある生体吸収性素材です。組織への馴染みが良く、挿入直後から確実な把持力を発揮します。PLCLと組み合わせることで、即効性のあるリフトアップと長期的なコラーゲン誘導のバランスを実現しています。
Mint Lift Fine+は糸全体に360度回転する3D立体形状のコグ(突起)が配置されています。従来の2D平面コグとは異なり、立体構造が皮膚組織を全方向から固定するため、優れたリフトアップ効果を発揮します。
360°3D立体形状のコグ設計。糸全体にモールディングされた立体突起が組織を全方向から把持します。(HansBiomed社 製品資料より)
Mint Lift Fine+のコグはプレスモールディング製造法により作られています。糸本体を削り出す従来の切削型工法とは異なり、糸全体に損失なくコグを形成できるため、引張強度と固定力を損なわずに突起を作ることができます。

特許取得のプレスモールディング工法による立体コグ。糸の全体写真と360°立体突起の拡大図。(HansBiomed社 製品資料より)
Mint Liftは特許取得のモールディング技法と3D立体形状構造により、一般的な2Dスレッドと比較して高い性能が証明されています。

競合他社の2Dスレッドとの比較テスト結果。引張力57%↑・牽引力74%↑・引張力の安定性61%↑を証明。(HansBiomed社 製品資料より)
データの見方について
上記はメーカーが実施したテスト結果です。個々の患者さんの治療効果はたるみの程度・皮膚の状態・挿入本数などにより異なり、すべての方に同じ結果をお約束するものではありません。
糸リフトとフェイスリフト(切開リフト)の違いについて
糸リフトは低侵襲で回復が早い反面、切開手術に比べると引き上げの強度や持続期間では劣ります。たるみが非常に強い場合は、フェイスリフト(切開リフト)の方が根本的な改善が得られることがあります。診察でご相談の上、最適な治療法をご提案いたします。
治療を受けられない方・注意が必要な方
妊娠中・授乳中の方、皮膚に感染症・炎症がある方、凝固異常や出血傾向のある方、ケロイド体質の方、過去に糸リフトを行ったことがある方(本数・種類の確認が必要なため要診察)は施術が難しい場合があります。事前の診察で適応をしっかりと確認いたします。
糸リフトの効果を最大化し、安全に行うためには、正確なレイヤー(層)への挿入が不可欠です。浅すぎると糸が皮膚表面に透けて見えたり皮膚の凹凸が生じやすくなり、深すぎると顔面神経や血管を損傷する危険があります。当院では解剖学的知識に基づき、適切な深さを維持しながら丁寧に挿入します。
Mint Lift Fine+の糸は、主に皮下脂肪浅層〜SMAS(表在性筋膜)浅層に挿入します。この層は顔面の重要な神経・血管よりも浅い位置にあり、かつ顔の下垂に直接関わる組織を支持できるため、安全性と効果を両立できる挿入平面です。
たるみの程度・皮膚の状態・ご希望を確認します。適応の有無を判断し、使用する糸の本数・挿入ルートを計画します。過去の施術歴・内服薬・アレルギーも確認します。
挿入部(主にこめかみ〜耳前部の小切開部)と、カニューレを通過させるルートの組織に局所麻酔を行います。麻酔が効いてから施術を開始するため、施術中の痛みは軽減されます。
計画したルートに沿ってカニューレを挿入し、皮下脂肪深層〜SMAS浅層に糸を留置します。カニューレを抜去するとコグが組織に引っかかり、組織が引き上げられます。糸の末端をトリミングして皮膚内に埋没させます。通常、片側に複数本の糸を使用します。
施術後はテープ固定を行い、冷却します。傷口は小さく、縫合は通常必要ありません。施術時間は両側で1〜2時間程度(カウンセリング・麻酔込み)です。
術後1週間前後に診察を行い、腫れ・内出血・引き上げ具合を確認します。気になる症状があれば早めにご連絡ください。
| 内容 | 料金 |
|---|---|
| 糸リフト(片側・2本) | ¥100,000 |
| 糸リフト(両側・4本) | ¥180,000 |
※糸リフトは公的医療保険の適用外(自由診療)です。本数・部位により料金が異なります。詳しくは診察時にご確認ください。
以下のような合併症が起こる可能性があります。
| 合併症・副反応 | 頻度の目安 | 説明 |
|---|---|---|
| 腫れ・むくみ | 比較的多い | 術後1〜3日が最もむくみやすく、1〜2週間で改善することが多い。冷却・安静で対応します。 |
| 内出血(皮下出血) | 比較的多い | カニューレ通過ルートに沿って生じることがある。通常1〜2週間で吸収されます。鈍的カニューレの使用でリスクを低減しています。 |
| 痛み・引きつれ感 | 比較的多い | 術後数日間は引きつれ感・圧迫感・鈍痛が続くことがある。鎮痛薬内服で対応します。大きく口を開ける際に痛みが出ることもあります。 |
| 皮膚の凹凸・波打ち | ときどき | 引き上げ直後に皮膚表面が波打つように見えることがある。多くは1〜2週間で自然に落ち着きます。 |
| 感染 | まれ | 異物(糸)挿入のため感染リスクがある。術後の清潔保持と抗菌薬の予防内服で対応します。発赤・熱感・膿が出る場合は早急に受診してください。 |
| 神経損傷・しびれ | まれ | 顔面神経・感覚神経の走行を避けた挿入と鈍的カニューレの使用で予防します。一時的なしびれは自然回復することが多いです。 |
| 糸の露出・脱出 | まれ | 感染が起きた場合や糸の末端処理が不十分な場合に生じることがある。露出した糸は除去が必要です。 |
| 効果不十分・左右差 | ときどき | たるみが強い場合や皮膚が薄い場合には期待する引き上げ効果が得られないことがある。左右差が生じる場合もあります。 |
効果には個人差があります
たるみの程度・皮膚の状態・生活習慣により、効果の現れ方・持続期間は異なります。すべての方に同じ結果をお約束するものではありません。
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